ホームヘルパー取得のため研修会へ参加する!

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Photo by Yuliya Pankevich on Unsplash ホームヘルパー/ガイドヘルパー

ホームヘルパー取得のため研修会へ参加する!

今はヘルパーもホームヘルパー2級に変わり、さらに介護職員初任者研修という風に名前が変わってカリキュラムも大分変更されていると思います。

その辺を念頭に入れて文章を読み進めて下さい。

およそ10年前のことです。

ホームヘルパーとは?

私が取得したのは今でいうホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)です。

高齢や病気により家の中の掃除が困難であったり、食事の介助が必要、見守りが必要な方のサポートをします。

保険適用外であれば、家政婦のようなこともしたりします。

 

基本的にヘルパーは決められているところだけしかサービス提供をしません。

「庭の草を抜いてくれ」というのはこれは実費となります。

税金を投入されているサービスです。

あくまでヘルパーはヘルパーであって、家政婦ではありません。

 

私のホームヘルパー取得までの道のり

私がヘルパーの資格を取得したのは介護事業所です。

介護の学校とかではなく、もう実践的にグループホームやデイサービスをされているところでした。

 

当日、その事業所へ集まってみると年代もさまざまでした。

若い方、主婦の方、現役銀行員の男性などなど…職種もさまざまな方が集まっていました。

 

私を教えてくださった先生は既に事業所を立ち上げている、事業所代表50代ぐらいの女性の方でした。

ここの事業所とは関係のない先生で手伝いに来たのかなと思います。

現場に今も出ている先生でした。

 

私は本当にこの先生で良かったと思います。

とてもサバサバしている先生でハッキリとものを言う先生でした。

女性なんですけど、男性のようにさっぱりした感じの先生です。

 

最初は座学や車いす、移乗の練習から…

基本的に介護は実践なんですよね。

テキストを開くよりも、実際に身体を動かさないと勉強にならない。

座学もありましたけど、体を動かすことが多かったです。

テキストの文章は堅苦しくて全然頭に入ってこない。

専門家が書いた分厚い専門書なので面白いものではありません。

絵で描いてあっても、目で実際に見た方が勉強になると思いました。

 

車いすの移乗の仕方を教わっている時はもう必死なんですね、みんな。

足はここに置いたり、車いすの位置を微妙に変えたり、移乗させる人は申し訳ないですけど重かったり…

だから、車いすのブレーキのききが甘かったりする。

そういうミスを犯してしまいます。

 

そうしたらとても怒るんですよね。

遠くからでも見えるらしくて注意しに行くんです。

えっ、何であんな遠くにいるのに分かったの??

私は近くにいて分からなかったのに…

先生は気付くのが早いんですよね。

さすがだと思いました。

 

まぁ、怒るのも当たり前なんです。

それで移乗させてたり、立たせたりしていたら、転倒し骨折などの怪我に繋がりますから。

実際にそれをしてしまったら取り返しがつきません。

 

やはり、介護を受ける方は骨折しても普通の元気な人と違い治る速度が遅い。

最悪の場合は治らなかったりする。

だから、基本的な時に注意されていないとあとあと変な癖がついてしまいます。

 

でも、怒ると言っても頭ごなしに怒られるわけではありません。

私はとてもメンタルが弱い方で怒られると気分がとても落ち込んだりします。

この先生に何か注意されても特に気分が沈むことはありませんでした。

「あー、そうだなー」と普通に受け入れれる感じでした。

嫌味のない起こり方で、怒るのも上手なんです。

私はいろいろと投げ出すタイプなんですが、先生の性格が好きだったので続けて最期まで資格を取得できました。

誰かが物事を始める時、続けれるか続けられないかは先生にも左右されるかもしれません。

私はこの先生に良い先生に導かれ、介護の良い面を見せてもらえることができました。

介護は悪いことをあげ始めると切りがありませんから。

 

常に現場に出ている先生なので、介護の実体験を話しくれるので役立ちました。

綺麗な仕事ではないので、汚物を扱ったり、罵声を浴びることもあったりする。

そういうお話を聞かせてもらいました。

 

いろいろな課題が出されました。

体にハンディを持った方に対してこういう場合はどうやって対応しますか、など。

その時の私はおばあちゃんと一緒に過ごしています。

なので、「そういえばおばあちゃんはこうしていたな」「あー、していたな」とシンクロさせながら考えていたので楽しかったし、分かりやすかったです。

 

半身マヒがあるけど、片手は何とか使えれる。でも、ヘルパーが来れない時間帯。

朝の食事はどうする?

 

介護で一番大切なのはその人の身体的能力を低下させない、自分でできることはしてもらう。

なんでも、ヘルパーが召使のようにしているとその人は動こうとしなくなって筋力が衰える。

そうなると寝たきりになってしまう。

だから、寝たきりにならないためのプランを事業所は組まないといけない。

ヘルパーはなんでも「ハイ、ハイ」いうことを聞いてしてはいけないということに気付かされました。

 

私のおばあちゃんがやっていました。

朝はパン派のおばあちゃんは椅子に座ったら全部できるようにトースターの位置を移動させたりしていたんです。

手が動くのなら、自分でできるように家具を配置させたりすればいい。

半身マヒでも食事の用意ができるようであれば、自分でした方がいい。

私はそういう当たり前の意見を出したりするんです。

でも、介護する人と一緒に住んでいない人はこの簡単な意見すら出なかったりするんです。

 

デイサービスやグルームホームで実習

あれやこれやと学んでいくうちに最終的にデイサービスやグループホームでの実習。

実際に利用者様と関わっていきます。

デイサービスで実習

デイサービスを利用するのはご高齢の方ばかりではありません。

脳梗塞の60代の男性の方もいらっしゃいました。

その方が「全員が年上過ぎて話が合わない」と嘆いていました。

そうですよね、みなさん80歳以上の方が多かったですから。

デイサービスは若い人でも行くのだな、とその時に初めて知りました。

その方は自力でお風呂に入れないから、お風呂に入るためにデイサービスに来ていたのかもしれません。

 

初めに注意事項を受けました。

【絶対に研修中はメモを取らないこと】

習っていることを忘れないようにメモを取りたくなりますよね?

それをしないでください、と。

 

おそらく、「あのメモには自分の悪いことを書かれているんじゃないの?」というご利用者様の疑念を生まない為だと思います。

そのことを忘れていた主婦の方が実際に実習中にメモを取って怒られていました。

 

グループホームで実習

グループホームに行った時。

私はたくさんお話しできます。

ですが、利用者様のプライバシーもあり秘密保持義務にもあたると思いますのでペラペラ話せません。

簡単にご紹介します。

 

ここのグループホームにはほとんど認知症の方でした。

とても裕福な方たちでした。

穏やかで上品なのですが、ふとした瞬間に「あれ?」ということがあります。

 

一緒に昼食を取っている時に、私が少し若いこともあって「これ、食べなさいよ」とお魚を下さる方がいました。

私は頂くわけにはいきませんから(その日の食事量も事業所は管理しています)、お断りしたんですね。

普通の優しい方なんです。

そのまま和やかに一緒に食べていたら突然入れ歯を外し、お皿の上に置くんですね。

……。

 

私:入れ歯を入れて、ごはんを食べましょう!

「あ、そうですね!すみませんね!」

 

そして、食事再開。

食事を終えてリラックスムード。

 

「お姉さん、トイレはどこにあるんですか?」

私:あちらにありますよ!

 

トイレ利用後、カートを押してトイレから出てくる。

私を見た瞬間に、

 

「お姉さん、トイレはどこですか?」

私:真後ろにありますよ!

「あ、すいませんね。ありがとうございます」

 

トイレへ入り、またトイレから出てくる。

出た瞬間に私に向かって

 

「お姉さん、トイレはどこですか?」

私:真後ろにあります

「まぁ、後ろなの!どうもありがとうございます!」

 

何回もこの言動をしていました。

トイレから1歩出ると、もうトイレに行ったことを忘れてる。

トイレの位置も分からないんです。

 

不安になると、こういうふうに何度も同じことを繰り返したりしてしまうようです。

認知症の方でしたけど、暴れたり暴言を吐くことはありません。

穏やかです。

でも、何度も同じことをしたり、同じことを聞いてきたりします。

 

びっくりするのは本当に毎回トイレに入って、パンツをずらしてトイレに座っているんです。

この動作をずっとしています。

 

私はこれを見た時、「この方がしていることは本当に体力がいる」と思いました。

私でも同じ事したら疲れてしまいます。

ましてやカートを押して歩いている方なんです。

しっかりした足腰で歩けている人ではありません。

命削ってトイレに何度も入っているなと感じました。

 

あと、音に敏感な方もいらっしゃいました。

お茶を配膳すると「ありがとうございます」と伝えて下さるんですね。

昼食の時にビニール袋の音、シャカシャカ音がしただけで「うるさい!」と怒鳴りブツブツ言い始めたりするんです。

食後に机を拭きに行ったら、机の上の荷物を全部どけて下さって「拭いてくれてありがとうございます」と伝えてくれます。

 

誰かが怒られていると感じた時に泣く(実際は誰も怒られていない/大きな声で普通の会話をしていただけ)優しい方もいらっしゃいました。

別に自分は全然関係ないし、怒られてもいないのに人の為に泣いています。

ひとしきり泣いたら、笑顔になって笑っていたり。

 

さまざまな方がいらっしゃいました。

身なりはきなりにされていて、見た目では認知症と分からない方々ばかりです。

スパンコールの入った綺麗なお洋服を着ている方もいらっしゃいました。

 

私も年を取ったらスパンコールの服を着ようと思いました。

男性の方で首に赤いスカーフを巻いている方がいらっしゃいました。

やはり年を重ねてもオシャレって大切だなと思いました。

そして、ヘルパーの研修終了

そうこうしているうちにヘルパーの研修があっという間に終わりました。

最後に私を教えて下さった先生が

「皆さんが少しでも介護の世界に残っていて欲しいなと思っています。」

とお話してヘルパー研修が終わりました。

 

私はその言葉を聞いても、私がヘルパーの資格を取りに来たのはおばあちゃんの為であってヘルパーになるとかは全然考えていませんでした。

実技を少しでも知っておきたいから学びに来ただけだったのです。

先生がそう言っているのを聞いて少し申し訳ない気持ちになりました。

 

私は今でもこの研修の時の先生が、本当にこの先生で良かったなと思いました。

お元気かしらとお思い、ただいまGoogleで調べてみましたらヒットしました。

今は訪問介護ではなく、ホームホスピスをされているようです。

画像があり拝見しましたら、若々しくて今もお元気そうです。

その先生の後ろに女性の方が写っているのですが、この方は助手として研修会に手伝いに来ていました。

あれから10年は経っているんですけど、このお二人の先生はまだ介護の世界にいらっしゃるのだなと思うとやはりすごい人たちだなと私は実感しています。

 

ヘルパーの資格を取って良かったです。

これが私の率直な感想です。

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