善意の声かけとその難しさ:白杖の方とのエピソード
白杖の方を見かけたら、周囲が人で混み合っている場合には、困っていないか声をかけるようにしています。
ペーパーですが、ガイドヘルパーの資格を持っているので、少しでも役立てばと思ってのことです。
ですが、話しかけるときは慎重さも必要だと感じる出来事がありました。
ある日のこと、公共の広場で20代くらいの白杖を持った男性が道の隅で立ち止まっていたんです。
道に迷ってしまったのかなと思い、「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてみました。
すると、その男性は一言、「隅にいたのに」と言ったんです。
その瞬間、私はハッとしました。
男性は道に迷ったのではなく、ただ静かに道の隅で何かをしていただけだったのです。
おそらくですが、以前に「道を塞いでいる」と誤解され、注意された経験があったのではないかと感じました。
だからこそ、私が声をかけたときに、その記憶がよぎり、「隅にいたのに」という言葉が出たのだろうと想像しました。
この経験を通して、「善意」からの声かけでも、時と場合によっては思いが伝わらないことがあるのだと気づきました。
それでも、相手の状況や気持ちを尊重することが大切だと改めて感じた出来事です。
生きているとこうした行き違いや誤解もありますが、それもまた学びのひとつですね。